「外国人採用ってよく聞くけど、実際どう動けばいいのかわからない」
「興味はあるけど、ビザや言葉の問題が不安で踏み出せない」
少子高齢化による人材不足が深刻化する中、
外国人採用は新たな選択肢として注目されています。
しかし、実際には“初めての一歩”が
なかなか踏み出せない企業様が多いのが現状です。
この記事では、そうした不安を感じている方に向けて、
外国人採用の基本と最初に知っておきたいポイントを、
わかりやすく解説します。
厚生労働省が公表する令和7年3月の有効求人倍率では
新規求人倍率(季節調整値)は2.32倍となり、
前月から0.02ポイント上昇。
正社員有効求人倍率(季節調整値)は1.05倍となり、
前月から0.02ポイント上昇となっています。
インバウンド事業の拡大の影響か、
宿泊業、飲食サービス業、情報通信業、などで
求人数が増加しています。
建設、介護、農業、宿泊業などでは深刻な人手不足が続いており、
日本人には敬遠されがちな現場も多くあります。
このような分野では、既にスキルを持つ特定技能の外国人労働者の受け入れが、
現場の即戦力として大きな効果を発揮しています。
実際に、弊社の支援先企業でも外国人材の導入によって安定した人員確保に成功しています。
外国人労働者の受け入れは、
多様な価値観や知識の導入を可能にし、
企業のイノベーションや柔軟な対応力を高めます。
異文化理解が進むことで、チーム内の発想力や問題解決力が向上し、
グローバル市場での競争力にもつながります。
外国人労働者の増加は、
地域社会での消費やサービス需要を生み、
地方経済の活性化にも貢献します。
また、経済成長に欠かせない労働力を補い、
公共サービスや社会保障の維持にもつながる重要な要素です。
在留資格とは、一言で表すと
「日本に合法的に滞在するための資格」のことです。
外国人受け入れ制度では、主に3つの在留資格が主流です。
| 在留資格 | 活動範囲 |
|
大学などで学んだ知識や、母国の企業で培った |
|
| 日本の技術や知識を学びながら働く | |
| 特定技能制度 |
人手不足が深刻とされる16産業分野*から ◆1号:特定産業分野(12分野)に属する相当 |
■「技術・人文知識・国際業務」で認められる職種一覧
▶技術
機械工学の技術者、システムエンジニア、プログラマー、情報セキュリティーの技術者、など
▶人文知識
企画、営業、経理、人事、法務、総務、コンサルティング、広報、マーケティング、商品開発、など
▶国際業務
通訳、翻訳、デザイナー、貿易、語学学校などの語学講師、通訳が主業務のホテルマン、など
■技能実習制度
技能実習制度は、18歳以上の外国人が自国で習得が難しい技能を日本で学び、帰国後に活かすことを目的とした制度です。対象は単純作業ではなく、一定の実務経験があることが求められます。
2022年4月時点で85職種158作業が認定されており、年々増加中。近年では「宿泊」「そう菜製造」「介護」「自動車整備」など、インバウンドや人手不足に対応した職種も追加されています。
■特定技能制度
「特定技能制度」とは、日本の深刻な人手不足解消のために
2019年4月に創設された在留資格制度です。
「特定技能」で就労が可能な分野は「特定産業分野」といい、
現在の対象は12分野(旧14分野)で、今後は16分野に増える予定です。
| 【特定産業分野(16分野)】 介護、ビルクリーニング、工業製品製造業(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野)、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業 |
特定技能で働く外国人には、分野ごとの「就労許可」が必要です。
これはまるで、「スポーツごとに違うユニフォームとルールがある」ようなものです。
たとえば──
サッカー選手の格好をして、野球の試合に出ることはできませんよね?
同じように、「宿泊分野」の在留資格を持つ人が、「飲食業」で働くことはできません。
具体例で見るとこうです:
| ×NG例 | なぜダメ? |
|---|---|
| 宿泊分野で特定技能を取得した外国人が、飲食店の厨房で働く | 許可された分野(宿泊)以外の仕事(飲食)はできない |
| 農業分野の外国人が、人材会社で事務の仕事をする | 農業とまったく関係のない職種のため不可 |
| ○OK例 | 理由 |
|---|---|
| 介護分野の在留資格を持つ外国人が、 介護施設で介護士として働く |
在留資格と仕事内容が一致しているためOK |
もうひとつの特徴として、「特定技能」は学歴が問われません。
試験に合格すれば、就労ビザの申請が可能になります。
つまり、学歴ではなくスキルややる気が評価される仕組み。
これにより、幅広い人材がさまざまな業界に挑戦しやすくなっています。
厚生労働省の最新データ(令和6年10月時点)によると、
日本で働く外国人労働者の数は 230万人を突破し、過去最高 を記録しました。
以下は、直近5年間の推移です。
| 年度 | 外国人労働者数 | 前年比の増加数 | 増加率 |
|---|---|---|---|
| 2020 | 1,724,328人 | +65,524人 | +3.9% |
| 2021 | 1,727,221人 | +2,893人 | +0.2% |
| 2022 | 1,822,715人 | +95,494人 | +5.5% |
| 2023 | 2,048,675人 | +225,960人 | +12.4% |
| 2024 | 2,302,587人 | +253,912人 | +12.4% |
2023年・2024年は、2年連続で20万人以上の増加という急伸ぶり。
この動きは単なる一時的な流行ではなく、社会構造の変化に基づいた流れだと言えます。
少子高齢化で若手人材の確保が難しくなる中、
外国人採用によって採用対象が広がり、
人材確保のチャンスが高まります。
特に製造・農業・宿泊業などでは大きな力となります。
多言語対応が可能になり、観光客や海外顧客へのサービス向上に直結。
文化的な視点を取り入れた接客やサービス改善も期待できます。
海外に精通した人材を採用すれば、現地の言語や商習慣への理解が進み、
海外市場への展開や情報収集がスムーズになります。
多様なバックグラウンドを持つ人材が加わることで、
新しい視点や発想が組織にもたらされ、
イノベーションのきっかけになります。
コミュニケーションの見直しや異文化交流を通じて、
日本人社員にもよい刺激が生まれ、
組織の柔軟性やチーム力が向上します。
外国人採用には国や自治体の助成金制度を活用できるケースがあります。
採用・定着にかかるコストを抑えることが可能です。
外国人の採用は多くのメリットがある一方で、
いくつかのデメリットや注意すべきポイントも存在します。
採用前にしっかり理解し、社内体制を整えておくことが成功の鍵です。
言語や文化の違いによる摩擦
日本語能力の差や文化的価値観の違いにより、
職場内での誤解や衝突が生じることがあります。
解決には異文化理解を深める研修や丁寧なコミュニケーションが必要です。
ビザ申請など手続きの手間
在留資格の確認、ビザの取得・更新、受入体制の整備など、
外国人雇用ならではの事務手続きが必要となります。
特に就労系ビザは取得に1〜3か月かかることがあり、
計画的な準備が求められます。
理解不足による法的リスク
不適切な在留資格や労働条件で雇用した場合、
不法就労とみなされるリスクがあります。
労働法や社会保険制度の理解不足もトラブルの原因になりえます。
在留期限の期限を把握しておらす、意図せず不法滞在者になり
企業側も不法就労助長罪に問われるおそれもあります。
採用基準を明確にする
求めるスキル、日本語レベル、経験などを明確にし、
採用ターゲットを定めましょう。
JSSTやJ.TESTなどの日本語試験の活用も有効です。
在留資格を確認する
在留資格により就労可能な職種が異なります。
業務内容に合った資格を事前に確認しましょう。
雇用状況の届け出を行う
外国人雇用時は、ハローワークへ
「外国人雇用状況届出書」の提出が義務付けられています。
虚偽記載や未提出には罰則があるため、正確な手続きを行うことが重要です。
在留期限を管理する
在留資格には期限があるため、企業側が定期的に確認し、
更新のサポートを行う必要があります。
放置すると不法滞在・不法就労につながるリスクがあります。
| ステップ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ① 求人募集 | 求人サイトや紹介会社で募集開始 | 差別的表現(例:「〇〇国のみ」)は禁止。多言語表記も検討 |
| ② 在留カードの確認 | 応募者の在留資格と有効期限をチェック | 原本確認+ICチップ読み取りで偽造防止 |
| ③ 採用面接 | スキル・日本語力・文化理解を評価 | 通訳やWEB面接も有効/表面的な印象に注意 |
| ④ 雇用手続き | 労働条件通知・雇用契約を締結 | 母国語での説明や書面準備が理想 |
| ⑤ ビザ関連手続き | 状況に応じて申請を実施 | 海外在住者:認定証明書の申請在留中:資格変更 or 就労資格証明の取得 |
| ⑥ 就労開始&受け入れ | 入社後フォローや多文化理解の研修 | 就業規則・体制整備も必要 |
外国人採用では、外国人雇用ならではの事務手続きも煩雑です。
このことから、外国人雇用へのハードルが
高くなっている企業様も少なくありません。
ベストマッチでは、採用戦略~採用成功後までの
トータルサポート体制でしっかり伴走いたします。
「導入を検討したい」
「採用ターゲットを広げたい」
といったご要望があれば、
ぜひお気軽にご相談ください。