介護人材が不足している理由の一つに、採用が難しいという意見をよくいただきます。
有効求人倍率にも数字としても表れており、
2020年度での施設の介護職員が3.90倍、
ヘルパーに関しては約15倍と売り手市場が続いています。
出典:マイナビ介護職
国としても、最重要課題として人材確保に取り組んでおりますがこれといって成果が出ていません。
結論として、この高倍率の中で選ばれるように、自分たちで動く必要があるのです。
介護非就業の理由の内訳は
・家庭の状況などが理由で仕事に就ける状況にない(23.8%)
・ほかによりよい条件の仕事があった(21.2%)
・資格を活用することにはこだわらないが介護の仕事には就きたくない(19.5%)
となっていました。
しかし、今後転職、就職活動時に施設系介護職について「検討したい・計」は49.1%と約半数が検討しているというデータも出ています。
公益財団法人介護労働安定センターが実施した調査によると
介護職員が現在の仕事を選んだ理由として
・働きがいのある仕事と思った(54.9%)
・資格・技能が活かせるから(37.2%)
という回答が多く、
辞めた理由については「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため(24.3%)」という回答が
人間関係の悪化の次に多くなっています。
【Short Case】ソーシャルメディアを活用した「質の高い介護」の発信:ユアハウス弥生/東京都文京区で小規模多機能型居宅介護事業を運営するユアハウス弥生では、過去の人材採用の経験から、求職者の大半はインターネットを活用して情報を収集しており、ネット上に流れる情報の質が採用に対する応募者数や人材の質に大きく影響を与えると考え、自事業所で日々実践している介護の内容を、事業所のブログで積極的に情報発信を行っている。発信する情報の内容は、利用者との外出などアクティビティの様子や認知症の周辺症状の緩和に取り組んだ事例、アロマテラピーの実践事例などであり、2日に1回程度の頻度で定期的に更新を行っている。 同社によれば、折込チラシや求人誌などによる人材募集の広告を行うことなく、事業所ブログの閲覧者を自社のホームページの採用情報へ誘導し、そこから応募をしてもらうというルートのみで月あたり10名程度の応募が定期的にあるとのことであった。引用: 介護事業所の採用・定着に向けたポイント
何を重要視しているのかを把握するため、介護関連資格保有者の意識レポートより仕事探しの条件について抜粋します。
A 「医療機関」「介護関連業」「官公庁・団体」が積極的に就職したい上位にあがる。
A 通勤時間15分未満が52.1%と最も高く重視されている。
避けている条件では「通勤時間30~1時間未満」が46.2%と最も高い。
A 「時給1,000円~1,050円未満」「時給1,100円~1,200円未満」「月給30万円以上」が上位に上がる。
A 重視する条件として「落ち着いた職場」が39.6%で最も高く、「力仕事が少ない」「離職率が5%以下」と続いている。
A 女性×非就業者で「知識や経験は不要」が31.5%ともっとも高い。
A 「職種未経験者・初心者OK」が33.1%で最も高く、
男性×非就業者では「業界未経験者・初心者OK」43.8%、
「職種未経験者・初心者OK」「シニア(60代~)応援」が同率40.6%で高い。
A 「応募前の問い合わせ、見学OK」が35.1%で最も高く、「入社祝い金支給」「応募前に就業体験可能」と続く。
A 「十分満たされている」という回答は5.1%、「かなり満たされている」と合わせて30.9%
採用を進めていくには「仕事探しの条件について」でのデータのように
・ある程度の給与
・通勤時間
・やりがい
・ミスマッチを防ぐための見学
・未経験者でも活躍できる体制
などを整えていく必要があることがわかります。
しかし、今後転職、就職活動時に施設系介護職について「検討したい・計」は49.1%と
約半数が検討しているというデータも出ていることも踏まえると
入職、転職のハードルになっていること、改善が求められることを把握し
見学などを用いて、理解してもらう必要があります。
「これだけやれば採用・定着がうまくいく」という方法はなく
単一の施策のみではなく、待遇や働きやすさ、組織の魅力、教育体制、理念を基にした働く姿、SNSなどを通じた発信など、
一連の流れそれぞれで取り組みを行っていく必要があるのではないでしょうか。
長く働いてくれる人材は、工夫次第で獲得することができます。
今まで述べてきたように、何を求めているかを把握し、その人にあった提案や条件を提示することが重要です。
いくつか、よりマッチする人材を集めるために必要なことについて解説します。
興味を持ってくれた有資格者は、事前に情報を集めたうえで応募をします。
情報収集段階で、他に魅力的な企業があれば、そちらに目移りしてしまっても仕方ないことです。
比較検討をされた際に、劣らない情報提供ができていると、
より自分たちを理解し、魅力的だと思ってくれたうえで応募をいただける可能性が高くなります。
ですので、自分たちの活動や理念などを定期的に更新する採用サイトを運営することを心がけましょう。
採用の前段階で、どんな背景で応募してきてくれたのかを把握しましょう。
様々な理由で応募に繋がっていることを理解したうえで確認をすると、有資格者が何を重要視しているかが見えてきます。
また、深く聞いたうえで自分たちがどのように力になれるかを伝えることができたならば
「この会社は寄り添ってくれる会社なのかも」と良い印象につながる可能性もあります。
面接担当には話してくれない雰囲気のようでしたら
職場見学などで、先輩社員と話す機会を設けることで入社後のギャップが減らせます。
介護関連資格保有者の意識レポートなどを用いて、介護有資格者採用のポイントについて解説いたしました。
みなさんの活動の一助になりましたら幸いです。
弊社では延べ5,000社に及ぶ企業様・店舗様の人材採用をお手伝いしてきた実績から 採用成功のノウハウには一日の長がございます。
「応募は来るけれど、その後の連絡がつかない」
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「新卒採用も検討したいがどう進めていいか分からない」
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