最新の有効求人倍率「1.29倍」*からもわかる通り
近年は求人数が求職者数を上回る"売り手市場"が続いています。
(*2023年8月最新)
また、スマホの普及により
インターネットが身近になったことで
求職者の仕事探しの方法も、ハローワークや求人情報誌から探すといった方法から
求人専門アプリ、Indeedを代表とする求人特化型検索エンジンの利用、
SNSで探すといったように人々の思考に合わせて変化が生じています。
参考:★ベストレ記事⇒求職者の新しい価値観と仕事探しの方法について
求人情報が世の中に溢れている状況の中では
自社の求める求職者の思考を理解し、
”求める人物像にマッチした採用活動”を
行うことが重要となっています。
今回はトレンドとなっている採用手法の中から
コストをかけずに即戦力の人材を採用する方法として
「アルムナイ採用」についてご紹介します。
そもそも、なぜ「アルムナイ採用」が注目されるようになったのでしょうか。
その背景には、冒頭でお伝えしたような「労働人口の減少」の他にも
「終身雇用に対する価値観の変化」「働き方の多様化」など
さまざまな要因が絡み合っています。
日本では、特に40代以下の年代で「転職」が当たり前になりつつあり
「一生涯一つの会社で勤め上げる」といった
従来の終身雇用制度の常識が崩れつつあります。
また、フリーランスや、会社に勤めながら
並行して別の場所でも働く副業スタイルの人なども増え、
働き方はどんどん多様化しています。
採用する側の企業にとっては、
"現社員の定着率をあげる""新規採用で優秀な人材を雇う"
どちらも難易度が上がっている状況にあります。
そうしたなかで、企業としては「有望な中途社員」を
スムーズに採用したいというニーズが高まり、
退職者であるアルムナイを再雇用することで
お互いにメリットをもたらすのではないか、と期待が高まっています。
アルムナイ採用を導入した場合、基本的に退職者本人からの連絡や、
在籍中の社員からの推薦であるため、求人媒体を介した募集の必要がなくなります。
また、アルムナイで採用した人材は
企業独自の働き方を把握・理解している場合がほとんどです。
それによりアルムナイ採用の場合には、
採用コストや研修・育成コストを大幅に削減することができます。
かつて自社で活躍していた人材であるため、
仕事の流れや組織のコミュニケーションを熟知しており、
短期間で生産性を発揮しやすいといったメリットがあります。
また、退職後も他社でスキルや経験を積んできた人材となれば
マッチング率も非常に高くなるため、
アルムナイ採用を即戦力の人材採用手法として活用しない手はありません。
自社の退職者の中から再雇用することで
「一度退職してもまた戻りたいと思える会社」と
在籍中の社員に印象づけることができます。
さらに一度外の組織に出た経験や知識を取り込み、
再就職した社員が自社にその知見を持ち帰ってきてくれたり、
社内に新しい風を巻き起こしてくれることでさらに組織が活性化するかもしれません。
SNSなどを通じて拡散されれば、企業のイメージアップも期待できます。
■多様性の欠如
アルムナイ採用が過度に行われると、
組織内の意見や視点の多様性が減少する可能性があります。
組織の発展には新しい価値観も必要になるため
新規の人材採用とのバランスに注意が必要です。
■古い価値観から発展しない
採用した人材が、組織内で独自の経験やアイデアを共有しにくい場合、
必要な意見が反映されずパフォーマンスに欠ける可能性があります。
組織の進化と新しい視点のために意見を尊重する必要があります。
■人材の固定化
アルムナイ採用が主要な戦略となると、
組織は外部からの新しい人材を見落とす可能性があり、
業界全体の新しいトレンドやスキルに適応できなくなる危険性があります。
アルムナイ採用をするかどうかは、
自社の状況や目標によって慎重な検討が必要です。
それでは、どのようにアルムナイ採用を
活用していけばいいのでしょうか。
ここでは、アルムナイ採用制度を導入し
活用するための方法をご紹介していきます。
アルムナイ採用を導入するうえで、
企業の体制を整え、制度化することは重要なポイントです。
退職社員への連絡手段がなければ、
退職後にコミュニケーションが取れなくなってしまうことは課題の一つでしょう。
また退職者もそもそもアルムナイ制度の存在を知らない、
興味があっても情報を受け取る手段がないといったことも想定されます。
そのような機会損失を起こさないために
アルムナイの制度をきちんと設計し、
退職者とコミュニケーションをとるルートの確保や、
退職時にはアルムナイ制度の存在を落とし込み
「気軽に連絡ができる」関係性の構築などが重要です。
また退職者は、退職した企業に再度応募するのは
気が引けることだと考えているケースが多いので
例えば退職者も巻き込んだイベントを開催するなど
企業からきっかけとなるようなアプローチをすることも重要です。
【雇用形態に多様性をもたせる】
「後々、自分の会社を立ち上げたいと思っている」
「フルタイムでは働けない」など
退職者一人ひとりに個性があるため、
アルムナイ採用を導入する際は
雇用形態のバリエーションを増やしておくことも大切です。
例えば、起業を志している退職者であれば、
再雇用ではなく副業や兼業、フリーランスなどの形態を提示したり、
居住地が遠方のため通勤が難しい退職者であれば、
在宅勤務のスタッフとして雇用したりすることで
アルムナイ採用につながる可能性が高くなります。
自社にとってデメリットにならない程度にバリエーションを増やすことで、
双方にとって満足度の高い人材採用を実現することができます。
「アルムナイ採用を上手に活用したい」からといって、
上述した3つの方法を一度に意識する必要はありません。
自社に合ったもの、または取り入れやすいものを選び、
ひとつずつ対応していきましょう。
<Before>
欠員が出るたびに「求人サイト」へ求人情報を掲載し応募を待つ状態。
専任の採用担当者がいないため、各部署のリーダーが業務兼任で
応募者対応~面接までを担当している。
採用プロセスの専門知識がないため、
面接設定や採用後のフォロー体制などがうまくいかず採用率に難アリ。
結果、時間と手間だけでなく採用コストが膨大になってしまっている。
↓
<After>
★「アルムナイ採用」を導入
元社員の中から2名の採用・入社!
かつて一緒に働いていた従業員を再雇用
◎在職時の知見を活かし即戦力として活躍してくれるため、
採用コストだけでなく育成に関わる時間も大幅に削減できている。
在職中・退職後もコミュニティを築いておくことで実現できた事例。
冒頭でも述べた通り、いま採用環境は大きく変化しています。
採用が難しい時代だからこそ、今までと同じやり方ではなく、
新しい採用手法を積極的に取り入れることが必要です。
採用に関するお悩みがありましたら、
個別相談会や情報提供を行っておりますので
お気軽に下記フォームよりお問い合わせください。