「アルバイトスタッフを雇っても、すぐに辞めてしまう」と定着率の悪さに課題をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。雇用した人材がすぐに辞めるのは、何かしらの理由があります。それを改善することで、定着率のアップにつなげることも可能です。
今回は、アルバイトスタッフが定着しない主な理由と、改善するための方法についてお伝えします。

人間関係がうまくいかなかった

人間関係が原因で辞めるアルバイトスタッフは、意外と多いです。
単に「一緒に働く仲間との相性が悪い」という人もいれば、上司や先輩から理不尽な指導を受けたり、恋愛や友人関係などプライベートのトラブルが理由で居心地の悪さを感じたりして辞めてしまう人もいます。
いくら待遇面が良くても人間関係がうまくいかないと、アルバイト先に行きづらくなって早期退職につながることがあるのです。

仕事内容にギャップがある

求人広告に書かれていた仕事内容や待遇面と、実際の仕事に相違があるため、辞めてしまうアルバイトスタッフもいます。
例えば、求人広告に「軽作業で簡単な仕事」と記載されていたのに、実際には重労働が多い現場だと「話が違う」と不満を持つ人もいるでしょう。これとは逆に「仕事を任せてもらえず、ほったらかしにされることが多かった」という理由で辞める人もいます。

仕事に慣れていない新人を「ちょっと待っていて」と長時間放置してしまう場面は、業種を問わずさまざまな現場でみられます。

雇用する側も振り返ることが大切

アルバイトスタッフの定着率が悪いのは、辞めた本人の問題だけでなく、雇用する側にも問題があるのかもしれません。
特に、3カ月以内に辞めるスタッフが何人もいる現場なら、その現場の責任者や採用担当者に理由を振り返ってもらい、改善していく必要があります。

具体的には、以下のポイントを振り返ってみましょう。

人間関係に気を配れているか

社員と同じくアルバイトスタッフも「一緒に働く仲間」です。
現場責任者をはじめ雇用する側に、その意識が薄いと、アルバイトスタッフとのコミュニケーションロスが生まれ、定着率を悪化させる一因につながります。

社員に対しても言えることですが、仕事を完璧にこなしたら褒めてあげたり、理不尽な指示を出したら謝ったりといった当たり前のことができているかを、現場責任者に振り返ってもらう必要があるでしょう。
また、現場責任者がスタッフ同士のコミュニケーションを管理できていたかも、振り返りたいポイントです。

教育や研修はしっかりと行われているか

アルバイトスタッフは単純作業や軽作業が多いとはいえ、入社直後には仕事内容を覚えてもらう教育や研修が必要です。
しかし、そもそも人手不足であることから現場で教育や研修が十分にできていない実情もあるでしょう。

アルバイトスタッフにやる気があっても、誰も教えてくれない状況が続けばモチベーションが下がり、離職の原因につながります。
こうした場面がなかったかを現場責任者に振り返らせることも、定着率を改善する第一歩となります。

採用広告の内容や手法があっているか

採用段階で、仕事内容や待遇面にギャップがなかったかも振り返りたいポイントです。
求人広告に仕事内容を正しく伝えていなかったり、待遇面などで誇張した表現があったりすると、アルバイトスタッフが不満を抱きやすくなりますから、求人広告をいま一度見直してみましょう。
また、出稿する求人ポータルサイトには得意・不得意な業種や業態がありますから、「ターゲットに適切な求人ポータルサイトか」という点も、改めて見直したいところです。

定着率を良くする方法

アルバイトスタッフの定着率を向上させるには、採用担当者や現場責任者といった社員とのコミュニケーションを改善することが大切です。
場合によっては、制度面の改善にもメスを入れることも必要でしょう。

以下に、定着率アップをめざす主な方法をお伝えします。

条件確認をしっかり行う

アルバイトスタッフと労働契約を結ぶ際には、本人に労働条件を明示することが求められます。
具体的には、契約期間や更新方法、仕事内容、休み時間や休日、時給や賃金の決まりなどです。

これらの条件を本人に正しく理解させることにより、早期離職を抑えられるようになります。
こうした条件面の話は、求人広告でも伝えられることです。

母数を増やしたいからと誇張した表現を使うのではなく、自社の仕事内容を理解できて価値観を共有できる人のみを集めたほうが、採用活動の合理化にもつながります。

コミュニケーションを改善する

人間関係が原因で離職する人が多いのであれば、関係性が良くなるよう、アルバイトスタッフとのコミュニケーションを改善する必要があります。
例えば、現場責任者とアルバイトスタッフが1対1で相談できる機会を、定期的に設けるのも一手です。
スタッフの意見や悩みなどを聞きだし、適性にあった仕事を与えることができればモチベーションが高まって離職を防げるでしょう。
また、仕事以外でも食事や飲み会といったコミュニケーションを活性化させるイベントを企画するのも、人間関係を深めるうえで効果的です。

制度の改善

待遇や制度を見直すことで、アルバイトスタッフの定着率を改善できる場合もあります。
新人への教育や研修制度があいまいな企業なら、入社日にオリエンテーションを行い仕事の意味や重要性を伝えるなど、意欲を高める場を設けるとよいでしょう。

働き始めてからも、仕事の成果を正当に評価したうえで時給をアップしたり、シフトチェンジがしやすいよう柔軟に変更できる体制を組んだり、一定期間働いているスタッフにはマネジメントの権限や報酬を与えたりと、モチベーションが高まる制度に再設計することも、定着率の改善につながります。

まとめ

アルバイトスタッフの定着率が悪いのは、人間関係や条件・待遇などに不満を感じているケースが多く見られます。
具体的に辞める理由をリサーチしたうえで問題点を洗い出し、適切な改善策を実施することにより定着率の向上が期待できるでしょう。

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